横溝正史「誘蛾燈」を読む。

横溝正史氏は言わずと知れた探偵小説の第一人者。明治に生まれて大正期に小説を

書き、昭和56年没という。しかし作品は平成・令和でも耐える小説が多い。

この本は横溝正史ミステリ短編コレクションと題した短編17編が収められてる。

よくぞいろいろなテーマが浮かぶ作家だと思うし、だから第一人者なのだろう。

退屈させてくれない本だ。

「誘蛾燈」ほか短編17編。

 「妖説血屋敷」踊りの師匠菱川とらの養女となったお銀はとらを継ぐべく

    稽古していてお銀に継がせる話もあったのだがとらの甥の鮎三との縁談を

    断ったのを期に内弟子のお千と鮎三と一緒にしてお千に継がせるという

    話になったのだがとらが殺される。そして次にはお千も殺された。

    犯人は菱川家にある幽霊お染か、お銀に好意を寄せる鮎三かお銀か・・。

    二転・三転実はお銀には思いがけない癖があった。

  「誘蛾燈」酒場に入って飲んでいると隣の男が「今日も誘蛾燈に灯が・・」

    とつぶやく。部屋の明かりの色を変えることで女が亭主の留守を知らせ

    男を呼び寄せるというのだ。ある晩情人を呼びこんでいるところに亭主が

    帰ってきた。女は亭主を刺し殺し、情人には宝飾を与えて窓から逃がし、

    「泥棒!人殺し!」と叫びつつ情人に拳銃を向けて撃ったという。

    隣の男の話を聞いた青年は女の家に向かう。拳銃で撃たれた男の兄だ。

    しかし女に返り討ちにあって死体となり女はますます妖艶に。(他略)

☆☆☆

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