青山文平「励み場」を読む。

青山文平氏の時代物は数多く読んでるが平易・軽妙で好きな作家である。

今回の本も時代物でありながら現代を描いている気がする本だ。

「励み場」

  戦国が終わり武士から一族郎党で百姓になった人たちがいた。

  領主は名主、家来は名子として土着していった。笹森信朗はそんな名子から

  抜け出して武士に戻ろうとする話である。陣屋の手代、元締め手代として

  勤めていよいよ江戸にでて普請役という武士になる一歩手前でなんとか

  姻戚などの後ろ盾のないなかで実力で武士になろうとする。江戸に出る前に

  豪農の理兵衛の次女の自分は名子の出と信じてた智恵を嫁にもらっていた。

  時代は幕府は窮乏し

  耕作専一を指示しても百姓たちが貨幣経済にのって副業や商業に手を出す

  時代であった。耕作専一を模範的にやってると言われた村に出張して

  顕彰の手続きをしようと名主に会うのだが苦悩する領主の姿であった。

  そこで世間では使用人よりバカにされる名子がいる中で立派に名子として

  生きて死んでいった名子がいたことを知る。そして・・・・・・・・。

☆☆☆☆

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