宮部みゆき作品は時代物・現代ものいずれも面白い。
これは時代物の怪奇小説というか怖い話が6編収められている。
「ばんば憑き」
ばんば憑きとは殺された人の恨みが殺した人の心にとりつき
殺した人になり変わるという恐ろしい話である。
庄屋の娘が婿をとることに決まっていたのにその婿に横恋慕した
わがままないいとこのお嬢が娘を殺してしまう。
死んだままにしては家が成り立たない。それで娘の恨みをお嬢の
胸にこじいれてそのまま家を継がせるという話で
子供が生まれるとその夫婦はいつの間にか死んでしまうという怖い話。
「野槌の墓」
猫ずきの幼い子が猫に頼まれて武士である父に妖怪となった木槌を
退治する話。
「坊主の壺」「お文の影」「博打眼」「討債鬼」などなど。