湊かなえの作品は年寄には結構大変だ。
身の程知らずに売れてる作家のものも偶には読みたいのだ。
トンガという楽園のような国、そこでゲストハウスを営む尚美と
その夫セミシさんの”子供は太陽。子どもたちが輝かない場所に
作物は実らない、人は集まらない、町はできない”
そんな国、人柄に人が吸い寄せられていくという話の数々だ。
双子に生まれて自分が死んだことになってる毬絵。
恋人との約束に縛られつつ心が揺れる理恵子。
ボランティアに感動してセミシに子供と一緒に会いに行く杏子。
震災によって親友の関係がぎくしゃくした千晴。
みんなトンガへ。
そんな尚美も作家になった千晴に震災を作品にすることを
すすめ、トンガで出会ったいろんな人たちを引き合わせて
5年前になくなった。セミシも尚美も死者どうし話をしてるだろう。
トンガでは亡くなった人と話をするために教会に通うという。
トンガでは楽譜はオタマジャクシでなく数字だという。
風景といい人といいトンガという国は楽園なのかもしれない。
場面や時間が行き来し、主語も見えず読むのに苦労した。