あさのあつこ『野火、奔る』を読む

あさのあつこ作品。もう何冊読んだだろう?女性作家の時代物は比喩も優しいし繰り返しも優しく多いし、この作品は登場人物が明確だから読んでて楽しい。

これからは経験がない時代の時代物といわれる女性作家による作品はいいのかも?

『野火、奔る』

紅花問屋の遠野屋清之介の所で働く「おちや」は叔父である「矢代屋」から出て遠野屋で働き、「おくみ」という友もでき楽しく働いていたのだが矢代屋の丁稚に連れ去られそうになる。そんな中で武家屋敷の裏手で町人とも武士ともつかない人が殺された。

そしてなんとおちやが連れ去られ、おくみは大怪我を負わされた。

同心小暮信次郎とその下で十手を預かる梅屋の主伊佐治の出番となった。

遠野屋の荷船が国元から紅花を積んで来る途中で忽然と消えてしまったという。訳のわからない事態に遠野屋は信次郎に相談すると信次郎はからくりを既に解き明かしていた。なんと大店の矢代屋の二代目主は遠野屋に妬み嫉み恨みをもって力を頼りに遠野屋を潰しにかかったのだという・・・・。

(頭脳明晰で冷たい小暮同心・一本気で人情の伊佐治親分・武士の出で商人になって曰くありげな遠野屋清之介・遠野屋の一生懸命仕事をする使用人たち。いいねえ。)

☆☆☆