夏樹静子『白愁のとき』を読む。

夏樹静子作品。初めて読む作家。1938年生まれ。Wの悲劇が代表作?

高齢者が身につまされる題材。アルツハイマー認知症の恐怖を描いた作品でしかも

主人公は若年性という働き盛りに疑いがあると診断される。身体寿命とともに精神寿命

はあるのかどうか。死は身体寿命なのか精神寿命なのか。自分が自分でなくなる恐怖。

『白愁のとき』

造園設計事務所の所長をしている恵門は物忘れなどを感じて大学時代の仲間の医者に

相談するといろいろ検査をしてアルツハイマーの疑いと診断される。かって従姉がアルツハイマー病に罹って大変だった記憶がさらに恐怖を煽る。そんな時しょんなことからデザイン会社のデザイナー桐乃と知り合い二人で京都の庭園めぐりをしてもう最後と

深い関係になる。恐怖から逃れようと自殺も考えて遺書をつくり息子に渡すのだが・。

☆☆☆

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