藤田宜永「老猿」を読む。

藤田宜永を読む2作目だ。

「老猿」

主な登場人物は3人しかいない。軽井沢の外れた別荘地。

テルマンだったがリストラと不倫で離婚されて親の残した別荘に来た「中里」

曰くありげな中国人ぎらいな老猿に似ているとされた「岩熊」老猿と呼ばれる。

相手が別荘で事業に失敗し自殺して、残された中国人の愛人「春恋」。

「春恋」は兄が中国やくざに追われるような素性のしれない女であったが

主人に自殺されて「中里」の別荘にころがりこんですきな石彫に打ち込む。

まっとうな生活をしてきた「中里」は無口で変わった老猿の過去や生き方に興味を

もって詮索をすることで生きがいを感じるようになる。老猿はかって小説を描き

パリでガイドをして犯罪にも手を染めたような男であった。

「春恋」と「中里」当然に男と女の関係になるのだが「春恋」の作品が北京の

展示会で展示されることがきまり3人は中国に渡るのだが・・・・・・・・・・・。

※この3人で400頁に及ぶ一冬が描かれる。

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