有川浩「キャロリング」を読む。


  有川浩作品の図書館戦争などよりはこのテーマのほうが読み易い。
  ポンポン跳ねるような文章や構成は有川作品独特なものがある。
  「キャロリング
   父親の虐待から逃れた「大和」は社長の「英代」の経営する子供服メーカー
   と児童保育の会社に勤める。この会社もクリスマスには廃業するという。
   児童保育に一人残った「航平」はお話を書くことが好きな子なのだが
   両親は別居していて離婚の危機にあり母親の海外転勤という事態に
   「航平」は揺れ悩み「大和」やその同僚の助けで父親に会いに行く。
   そんな時「航平」は誘拐に遭う。「大和」たちが大活躍して無事「航平」親子の
   クリスマスと会社の最後のクリスマスが行われる。

   暴力によって一度別れた夫婦がまた一緒になる夫婦、夫の浮気と
   妻が強くて夫が弱い関係が耐えられず別れる夫婦。
   子供は翻弄され悩み苦しむ。子供の周りにどんな人がいるかが大事と。
   因みに本の題名はキリストの生誕を讃美歌でしらせることらしいが
   子供にとって楽しいことばかりでなく悲しみや虐待などもあるということか。
                                              ☆☆☆
イメージ 1