村田沙耶香「授乳」を読む。


    「コンビニ人間」の村田沙耶香が小説を書く原点となったデビュー作。
 
   「授乳」「コイビト」「お伽の部屋」の短編を3篇収録。
   「授乳」
   父の下着を黙々と畳んでいる母の姿にイライラ感をもち「直子」に
   無気力な家庭教師がつくのだが「直子」はイライラ感は家庭教師に
   向けられ横暴さが増していく。
   「コイビト」
   ハムスターのぬいぐるみ「ホシオ」への異常愛をもった女学生が
   オオカミのぬいぐるみ「ムータ」への異常愛をもつ小学生の女の子に出会う。
   女の子は子供らしく「ムータ」に食事をさせ、「ムータ」のこどもが欲しいと
   思う。それを見て女学生は「ホシオ」からの依存から逃れようと窓から
   「ホシオ」を投げ捨てるのだが女の子は「ソレは形を変えてまた生まれて
   くる」と見通している。
   「御伽の部屋」
   貧血と日射病で倒れた「私」を「関口要二」が部屋に入れ、
   すべてを受け入れてくれる。居心地のよさにのめりこんでいくのだが
   「私」は子供のころから女の子になりたい男の子が好きな子だった。
   この世界の外を見たいと一度は「関口」の男らしい友達の下に
   走るのだがまたこの世界に戻る。この世界の「関口」は結局は自分が 
   自分の心の中につくったものだと気づくという話。

   「コンビニ人間」はめちゃ面白かったのだがこの本は暗く、難しくて
   上記の話の内容か自信がない。
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