斎藤栄作品。斎藤さんは6月に91歳で亡くなったという。図書館で追悼特集をしていた1冊。江戸時代に将棋の第一人者として名声のあった天野宗歩を題材に多くの小説を描いた1冊である。宗歩は芭蕉も言われたように隠密という役回りもあって幕府の命で将棋の指導などを名目に各地の藩を探ったという。
水戸藩は藤田東湖を 中心に改革派が実権を握って新式の大砲を作るなど藩は2分していた。藩を探るべく弟子の喜太郎と天馬を引き連れて僧留庵との偽名で賭け将棋などをしながら情勢を探っていた。そんな中でかって宗歩の妻との間に生まれて攫われた息子京太郎の消息が・・。
小五郎という名で天才的に将棋の強い子がいるという。宗歩はもしかしたらと是非会いたいと。なんとか東湖の養子になった小五郎と将棋を指す機会が・・・。
御城将棋の話も進んでいた。伊藤宗印との対決だ・・。そんな中で御城将棋対決の前に古河藩で宗印との対戦の機会ができたのだが対戦中に宗歩は喀血して差しかけに・。
この時代天明は地震や台風など自然災害が多かった。そんななかで次男宗次郎の誕生というめでたいことも・・・。
(将棋の好きな人にはこの天野宗歩シリーズは将棋盤に駒を並べながら読めて楽しいシリーズなのだろう。作家のご冥福を祈ります。合掌。)
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