#仙川環『封鎖』を読む。

仙川環作品。医学系を卒業した作家なのだがこの本は2012年出版の鳥インフルエンザが人間に感染して集落が封鎖したという話。最近のコロナウイルス感染に思いをはせる。

『封鎖』

兵庫県の山間の集落でひとりの高齢者が嘔吐し血を吐き悲惨な状況で死んでいるのを親戚の家の女房杏子が発見する。ついで雑貨屋の女主人も同じように死んだ。異常な状況に感染研究所の主任松下が集落にやってきて集落を封鎖し電話もネットも通信手段も封鎖して崩落による交通封鎖として集落は孤立する。感染研究所の主任と海外で感染の現場に立ち会ってきた紺野と隣町勤務の看護師静香らが状況把握するうちに次々感染して死んでいく。人から人へ感染していってるのではないか。ウイルスに感染しても病院に搬送せず死者は炭焼き窯で焼く。疑惑は疑惑を生む。

松下は集落の村民60人を抹殺しても感染が他に拡がらないように独善的思考をして

生きてる村民を焼き殺そうとするのだが・・・・・。決死で町の病院などとで連絡をとった結果、集落のはずれで鴨に鳥インフルが発生していて死骸の羽根を加工した人がウイルスをまき散らしたのが原因だった。

(目に見えないウイルスでは何が原因で感染するのか、どうしたら感染が起こるのか不明の場合には疑心暗鬼が起こって行政においても誤った判断をしかねないということ)

☆☆☆

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