恩田陸『夜果つるところ』を読む

恩田陸作品。恩田作品は3冊目かな。この本は難解。これぞ文学みたいに比喩・暗喩が一杯で中味もミステリーが一杯だ。若者はこのような難解な作品を読むのだろうか。話は2・26事件前の「待合」のようなところで過ごす曰くありげな11歳の「Bちゃん」と言われる子が主人公だ。

『夜の果つるところ』

産みの親・育ての親・名目上の親と3人いる女性に囲まれて「待合」というか女郎屋というか「墜月荘」というところで孤独にすごす女の子。「墜月荘」には軍人たちがよく集まって集会をしたり飲食したりしている。和江という女性は産みの親と思われるが軍人の夫が弟に殺されたと精神に異常をきたしている。莢子はビーに教育し育ててくれている。文子はこの荘を仕切っているようだ。そのほか怪しげな人たちがいろいろいる。

2・26事件のような墜月荘を起点に起こる。そのなかでビーは実は男の子で帝の落とし胤ということが分かるのだが・・・。いつかビーを押し立てて役立てようと墜月荘に。暴動は失敗してビーは普通の家庭の養子になる。莢子は実はお客ときていた久我原とは実の兄妹で愛し合っていたということもこの時に分かるのだが二人は蜂起事件を鎮圧すべく墜月荘を襲った軍隊に襲撃されて火の中で・・・・・。

(複雑で暗い人生を送ったビーちゃん。読解力がないから本の良さが良く分からなかった)

☆☆