あさのあつこ『ゆらやみ』を読む。

あさのあつこ作品。「たまゆら」に続いて2冊目を読む。「たまゆら」は静寂ななかでリフレインのリズムが奏でる作品だったが今回は石見銀山が舞台。間歩(マブ・坑道)で生まれて女郎屋で育てられた美しい女の子と切支丹の親に育てられた男の子の強烈な愛の話。

『ゆらやみ』

石見銀山の町で男の世界・暗闇の世界とされる間歩で生まれた登枝は爺に育てられ女郎屋の離れを借り下働きをしながら女将のおそのに育てられた。美しく生まれたために女将にゆくゆくは太夫にもと躾けられた。ガキ大将にいじめられ助けてくれた伊夫を好きになってしまった。14才で登枝は豪商の旦那に買われることに。間歩で銀堀になっていた伊夫に逢いに行き二人は愛を確かめ合う。その時後をつけてきた男を伊夫を登枝を助けようと殺してしまう。それでも豪商の旦那は登枝を高い金をだしてくれた。目明しがふたりが下手人だろうと付け回すはめに。伊夫と登枝は会うこともなく愛を育てていく。旦那に良くしてくれたのだが突然の死。そして備前の商人が噂を聞きつけて女郎屋にきて登枝が気に入り嫁にと。伊夫のことがあるから頑なに拒むのだが伊夫が鉱山の病の肺病に聞きつけた登枝は抜け出して伊夫の下に。後をつけてきた目明しが・・・。

伊夫は目明しを刺し殺し、登枝に「帰れ!生きて子供を産んでくれと。」「生まれた子はみんな俺だ。」と。登枝は備前の商人馬蔵の嫁になる・・・・・・・・。

(女郎屋と少年・少女の純愛。愛を貫いた登枝。珍しく跋で登枝の最後まで描かれる)

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