池永陽『緋色の空』を読む。

池永陽作品。7冊目を読む。今回の作品は時代物だが大火で身寄りを失った子供3人が長屋で家族のように遊んで育って大人になったら3人の家を建てると夢みて大工や下働き、下駄職人と頑張るのだが・・・。

緋色の空

子供の頃から正義感の強かった清吉は大工の道。与吉は泣き虫だったが下駄職人の道。

3歳下のおとしは与吉の世話焼きだったが下働きへ。おとしはずっと清吉が好きだった。与吉はずっとおとしが好きだった。清吉が一人前になろうとしたとき自分の建てた家が火事で焼け左腕が使えないほどの火傷を負った。棟梁から娘のおきぬと一緒にさせると話まであったが火傷を見せたおきぬは嫌がった。清吉は香具師の親方に助けられ香具師の世界に身を置く。与吉は頑張って下駄屋で独り立ちしておとしと願って願って一緒になるのだが・・。敵対してる香具師に悪質な金を借りておとしを借金のかたに取られて遊郭に売られる。清吉は遊郭に乗り込んで足抜きを図ろうと騒ぎを起こすためにおとしの知恵で遊郭に火を放つ・・。実は最初の清吉の火事もおとしが清吉を好きなゆえに起こした火事と告白する・・。手を取り合って清吉とおとしは・・・・。

(持て男清吉は小さい頃は兄妹と思っていたが心のなかでおとしが好きだったのだと。子供の頃から一途に慕う女の子の一念が人生を波乱に導いていた。)

☆☆☆