石田衣良「明日のマーチ」を読む。

   石田衣良の「明日のマーチ」を読む。
    図書館で何を読むか迷って彷徨ってるとき石田衣良は手にしやすい。

    金融危機で若者の就職が悪化して、派遣社員が多くなった頃の話。
    鶴岡市の工場で派遣切りにあう。修吾・伸也・陽介・豊泉の4人だ。

    お互いよく知らない4人が行くところもなくなって修吾の「歩く」というのに
    引きずられて日本海をめざし、東京をめざして歩く。

    黙々と歩く経験者の修吾、歩きながらブログなどで発信を続ける伸也、
    人がいいのが取り柄の陽介、中国人3世のチャライ豊泉という役割だ。

    伸也のSNS情報が派遣切り反対の旗手として若者の共感を得、
    マスコミに取り上げられ大きな輪になっていくのだが・・・・・・。

    実は修吾は過去に殺人を犯していたことがマスコミにスクープされ
    4人は混乱するがそれでも4人は「仲間」を選択する。
    SNSで4人は叩かれたりするが結局東京に近づくにつれて
    共感者はどんどん増えて長い列となってみんなで歩いて東京へ。

    「派遣」「歩く」「仲間」「SNS」「過ち」がいっぱい詰まった青春の風景だ。
    明日のマーチはブログのタイトルだ。若者の冒険とSNSの怖さと。
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