中村うさぎ『愛と資本主義」を読む

中村うさぎ作品。同志社大卒・福岡生まれ・66歳。初めて読む作家。「愛と資本主義」という大上段のタイトルに興味。無差別にいろいろな本を読むようにしているとこんな本にも出合う。22年前に出版された本。ホストクラブのホストとお客の話。

『愛と資本主義』

多重人格の女性ミカがホストクラブにはまりリョウというイケメンに愛を求める。

リョウは「金」もまた「愛」である。その代償に「愛」で寄り添う。ホストは高価な酒を開けることで売り上げになるのだが8割は「つけ」であり、お客のナツミが400百万を飲んで支払わずにいなくなった。すべてホストが払わなければならない。逃げたナツミを探すのだがやっと出会った彼女は浮浪者に落ちぶれていた。そんなこともある。ミカはリョウの歓心を得るためにお金をつくろうとしてヤクザとの危ない目に遭って殺されそうになるのだが多重人格の男に代わって奴らを殺して金を奪う。ホストの世界は先輩の客と深い関係になってはいけないという掟もある。客はソープやホステスとしてお金を愛に代えて貢ぎ続ける。

ルナというホストに尽くした経験から立ち直り探偵会社の社長に収まったマリエ。ルナの母親を名乗る女性からルナの捜索を頼まれるのだが・・・。マリエは過去に・・。

(リョウはいう「俺は女たちから金という形で愛を受け、その代わりに女たちの壊れた愛を全身で受け止めてやるんだという」信念でホストにいそしむ。)

☆☆☆