吉川英梨『桜の血族』を読む。

吉川英梨(ヨシカワエリ)作品。初めての作家。1977年埼玉生まれ。暴力団担当の女性二人の刑事の話。分裂した暴力団の抗争を止めるべく血族も絡んで壮絶な刑事とのやりとりが描かれる。 

『桜の血族』

伝説の刑事桜庭を父に持つ誓は暴力団担当の刑事になったのだが同僚の仲野賢治と結婚するのだがまもなく夫は花岡というヤクザに襲われ瀕死の重傷を負う。夫の仇を取るべく再雇用されて夫の介護しながら刑事に復職する。コンビを組んだのが女性刑事藪啓子。関西の吉竹組は本家吉竹組という双子の兄弟が運営する組と関東吉竹組とに分裂していて中立を保つ関東の向島一家が抗争を鍵を握っていた。組長はかって伝説の刑事桜庭タイで捕まったことがあったといい片腕がなかった。藪と誓は向島一家の情報を集めていた。誓は可愛がられて父を尊敬して育ったのだが実は桜庭家の養子になっていた。

誓が仲野との結婚の時にそれを知り夫が高価な贈り物を持ってくることに愛情ではないものを感じていた。向島一家に食い込むなかで自分が向島の子であることを知る。そして夫は闇落ちといわれるヤクザと通じていることを知ることに。向島は関係を知りつつ抗争を阻止すべく動いているのだが藪の忠告を無視して向島一家と対決する。

(誓は単独で乗り込んで捕まって半殺しの目に遭うのだが・・・。)

☆☆☆