朝井まかて『グッドバイ』を読む

朝井まかて作品。2019年出版の357頁の作品。幕末ごろの長崎のお慶という女性が外国に茶葉を売り込んで商売を成功させるとともにグラバーなど海外商人と交わり、倒幕の志士たちとも交わる波乱の人生を送る女性商人の話。

『グッドバイ』

大浦屋のお慶は長崎で油商として一代を築いた祖父に見込まれて商売を継ぐのだが海外でお茶が飲まれていて日本茶も商売になると九州近郊に茶葉を作らせ、焙煎工場も作って商売を拡大させていく。その過程で通詞や海外商社のグラバーやオルトなどと交わり商人として認められていく。気風の良さで倒幕の志士たちに部屋を提供するなどして若き坂本龍馬大隈重信などとも親交を持つ。しかし明治に入って駿河の茶のほうが勢力を増し、商売に陰りが見え始めたころ煙草葉の取扱いに関して詐欺で名義貸しで3000両という莫大な借金を背負い込む。その逆境を乗り切り横浜の製造工場の払い下げに関わって成功させる・・・。晩年は米国の前大統領が長崎を訪問した際は酒宴に招待されるなど功績を認められる・・・。

(長崎という土地柄で進取に富んだ女性に育ったお慶は波乱の人生を送る話。)

☆☆☆