中山七里『ヒポクラテスの悔恨』を読む。

中山七里作品。調べたら4年前に「ヒートアップ」を読んだという記録が。

医学の祖といわれるヒポクラテスの名を付けたシリーズ物らしい。亀コミュの新刊。

できるだけ死因を正確にという流れで法医学の解剖について5編が描かれる。

シリーズの常連の法医学の光崎・真琴・キャシーと警察の渡瀬・古手川の活躍だ。

ヒポクラテスの悔恨』

「老人の声」は暑い日に寝たきりの高齢者の卯平という人がなくなった。息子夫婦と孫娘の4人家族だった。当然自然死と処理されそうだったが大学の法医学教授の失言からか絶対不明なように殺すという投稿があって警察は死因を特定しようと解剖に回すと新たな原因が判明する。死者の声を聞こうとした光崎教授・真琴助教・古手川刑事。

「異邦人の声」はベトナム人技能実習生が工場内で腹を抑えて亡くなった。肝臓がんという診断が下されたが例の解剖仲間がなんとか法医学教室の解剖にこぎつけた。

「息子の声」は田舎の急カーブで近所の稼ぎのあまりない男が事故を起こして亡くなったどうみても自損事故と思われたが・・・。

「夜蝶の声」街中で突然ベトナム人の若い娘が嘔吐して倒れ足元には血の塊に。熱中症と診断されて亡くなった。解剖に回されると妊娠していて・・・・。

「子供の声」は大学の新生児科の医師の生まれて5日目の子供が突然亡くなった。

自分が診断した子であり正常に生まれていたので解剖に反対した・・・・。

しかし無理やり死んだ子供の声を聞こうと解剖してみると他殺だった・・・・。

(なかなか身内の死には解剖とはなりにくいが少しでも違和感があったら死者に訊いてみるのが一番なのだろう。)

☆☆☆