北村薫『遠い唇』を読む。

北村薫作品。「中野のおとうさん」が面白かったので次に図書館で探したのがこの本。

7編の短編が収録されている。このなかでは「遠い唇」と「ビスケット」が面白い。

『遠い唇』大学の時の同人誌の先輩からいただいたコンパの案内に書かれていた謎のローマ字の意味を不明なまま置いておいたのだが・・。数年後改めてみて気が付いた。最後に「スキデス」と読めるのを・・。彼女は田舎に戻ったあと亡くなったという。

「しりとり」俳句の好きな向井さんの話。旦那さんが俳句の間に和菓子を置いて謎をかけた。「しりとりや駅に(和菓子・黄味しぐれ)かな」。この謎を解いて挙げたという話。

「パトラッシュ」は旦那さんをパトラッシュに例えた幸せ家族の話。

「解釈」走れメロスを娘の学校で先生たちが演じて大笑いした話。

二銭銅貨」は江戸川乱歩さんが家族を疎開させた帰りに尋ねてきた話。

「ゴースト」は勘違いが男女の別れにつながり、仕事でも勘違いをした話。

「ビスケット」はローマ字のビスケットを話題にしている時に殺人事件が起きた。

指が中指・人差し指・薬指を曲げて小指と親指を開いて・・。ダイイングメッセージではないかと名探偵に頼んだら即座に推理した。

(言葉遊びのようなミステリ作品。)

☆☆☆