北村薫『遠い唇』を読む。

北村薫作品。ミステリー作家の短編集。7編の短編が収録。ひらめきとときめきがミステリー作品には重要で楽しいというのだが・・・。難しい。「遠い唇」は比較的分かりやすくホッとするのだが他は・・。

『遠い唇』

「遠い唇」は大学の教授たちの同僚と話をしていて先輩の長内先輩とコーヒーを飲んだひと時を思い出す。追い出しコンパの幹事を一緒にやったとき先輩からの案内状が届いた時があった。ハガキの脇に細かいアルファベットがたくさん書かれていた。聞くと「いたずら書き」とその時は。今思い出して調べてみるとローマ字には意味があった。

「テラワキクン・スキデス」と。彼女は若くして亡くなっていた。

「しりとり」は編集者の向井さんとの話でご主人は亡くなったのだが生前俳句をやる向井さんにご主人が「しりとりや 駅に◎◎◎◎ 〇〇〇かな」となぞの句を示して「わかるだろう」といって(黄味しぐれ)という和菓子を置いたという。意味は・・。

夫婦の出会いがしりとりでこの句に。

「パトラッシュ」は夫婦が大声コンテストでパトラッシュと大声を出したことで夫の大きさで救われているという夫婦愛の話?

「解釈」は夏目漱石の(吾輩はねこである)を外人が読み解くと・・。

「続・二銭銅貨」は江戸川乱歩の上前をはねようとする話。占いの陰陽とモールス信号を組み合わせた謎解きの話。

「ゴースト」は同じ名前の違う人からのメールで勘違いする話か。

「ビスケット」は大学のなかで映像関係の教授が殺された。死体は右手が小指と親指が上を向き,なかの指3本は握っていた。一緒にいた姫宮は人知を超えた難事件を即解決という触れ込みの巫法律事務所に謎解きと頼んだ。竹河・関屋・香道がネットで調べると犯人は分かるという。ミステリももはや読者が調べてやっと分かるという・・・。

(いろいろ謎解きがでているのだがマニアでないと不明だ。ミステリも進歩するとついていけないかもしれない。)

☆☆☆