#中村文則『去年の冬きみと別れ』を読む。

中村文則作品。芥川作家の本はなにかと難しい。最初すこし読んでやめようかと思ったけど後半になってきたらどんでん返し。復讐劇だったのだがそれにも裏があった・・。

『去年の冬きみと別れ』

親がいいかげんなために姉弟は施設育ち。弟雄大はカメラに興味を持ち次には人形に興味を持つ。カメラに異常な興味を持った雄大は亜希子という女性を監禁して写真と撮るのだが火事を起こして彼女が焼け死んでしまう。その彼氏が弁護士と組んで復讐のために雄大の姉を替え玉をつかって雄大が殺したように仕組む。この二つの殺人のために雄大は逮捕されるのだが精神に異常をきたしている。彼氏というのは編集者にいわれてこの奇怪な小説を描こうとして取材を雄大や亜希子にしている。編集者はこの二つの殺人は仕組まれたものとわかって・・・・。

(難解。芥川の「地獄変」の死に際を描いた絵師の話や人形師の実物を超える人形をつくる話などが雄大の写真の芸術性と絡み合ってでてくる。)

☆☆☆

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