藤沢周平「天保悪党伝」を読む。

   藤沢周平天保悪党伝」を読む。
     藤沢周平といえば「たそがれ清兵衛」のような渋い時代物を
     描く作家である。
     「天保悪党伝」は
      花魁 三千歳(みちとせ)がらみの悪党たちの6編の人斬りやゆすり
      たかりの話である。悪党ではあるが読んでいて悪党らしく感じない。
      「蚊喰鳥」
       惚れた花魁を身請けしたいと悪党の元締めに相談すると
       一度商人に身請けしてもらって次に譲ってもらう算段だが。
    「闇のつぶて」
       小悪党の丑松の妹が騙されて女郎として売られた。
       辻斬りの道場主市之亟に頼んで取り返すのだが・・・。
    「赤い狐」
       本庄藩の気まぐれで父を殺された悪党森田屋が禁制の抜荷を
       仕組んでゆすって藩をつぶして金をとろうとするが・・・・・。
    「泣き虫小僧」
       料理には腕のある丑松がまともに生きようと料理屋に勤めに
       出たのだが女将が借金をかさにヤクザに食いつかれ身体で利息を。
       見かねた丑松が行動をおこす・・・・・・・・・・。 
    「三千歳たそがれ」
       身請けから戻った花魁だが悪党市之亟に惚れる。
       市之亟は水戸藩の禁制の影富をタネにゆすりを狙っていた・・・。
    「悪党の秋」 
       大悪党河内山は悪党どもに声をかけて水戸藩の影富で
       ゆすりを実行する・・・・。影富とは富くじの私設である。
 
    あまり悪党に感じないのは花魁三千歳が情に厚く、金に綺麗だから?
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