角田光代『拳の先』を読む。

角田光代作品。ボクシングを通じて「強さ」とは。「挫折」とは。拳の先にある

目に見えない不可解なもの。同時に「いじめ」に対処することなど人生に待ち受ける

もろもろの重圧に対処する作家の独自の視点なのだが540頁と長い。骨が折れた。

『拳の先』

小さなジムの有望な選手ふたり立花と坂本。出版社の縁でフアンになった空也

両親から強くなるようにとジムに通い始めたのんちゃん。のんちゃんはいじめに

あうも両親には言えないでいるうちにどんどんエスカレートしていく。

好調だった立花も強い若手に負けて恐怖を覚えるようになる。坂本もまた勝って

いるうちはよかったが一度負けて挫折していく。

のんちゃん・空也はフアンを辞められず立花・坂本を応援する。一方立花を

負かした注目の若手の岸本は世界にまで上り詰める。

のんちゃんは空也のアドバイスもあり両親を説得して転校していじめ解消する。

立花はいう「拳の先にあるのは化け物みたいなもん。増殖した自分の恐怖心・・」

空也はのんちゃんを説得する。

「逃げることは居場所を求めること。いじめにじっと耐えてるのは強いことではない」

☆☆☆

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