愛川晶作品。落語の話とミステリーを加味した本。これで全巻読破と思うが。
正式には「三題噺 示現流幽霊」という本で三題噺というのはお客さんから
適当に三つのお題を頂いて即興で落語を演じる高座の遊びをいうらしい。
この本には「多賀谷」「鍋屋敷の怪」という話の3編収録されてる。
『三題噺・示現流幽霊」
「多賀谷」はいつものように落語の福の助と妻亮子が主人公。お得意さんから屋形船
で一席やってほしいと頼まれる。お得意の社長は多賀谷という亮子の生徒の
母の情人に2000万の品を1億で買わされそうになっていて屋形船には
多賀谷も乗船している。福の助は落語でやりくちを暴くという話。
「示現流幽霊」は福の助・亮子夫妻が得意先から元落語家だった兄が痴ほうに
なって家に引っ込んでいるので一度なんとか高座に上げてやりたいので
手助けしてほしいと頼まれる。殺されそうになる兄を福の助夫妻は機転で救う。
「鍋屋敷の怪」は福の助夫妻は師匠が何年も病気で高座に上がれないのをなんとか
しようと先に舞台を予約して説得して準備が整ったところで高座の三日前に東北の
馴染みの温泉に行きたいという。行くと師匠の思わぬどんでん返しの意趣返しが
待っていた。(演芸場で落語をきいている気分になれる本だ。)
☆☆☆☆