それにしても自分は節操のない読書好きだと思う。
桜木紫乃「蛇行する月」を読む。
4人の同級生と彼女らに関わる2人の女性の生き方を描く。
中心は順子だ。順子は学校の先生に恋をし、積極的に押しかけるが
拒絶され、今度は勤め先の妻もいる和菓子屋の主人に恋をし、
妊娠してその主人と駆け落ちをする。各地を転々として最後は東京の
さびれた街の一角にラーメン屋を開いて落ち着く。
外からみたらとても幸せとは思えない貧乏生活なのに一途に
幸せと言えている。
同級生や母や主人を盗られた女将もいろんな生活をしている
のだが話しの最後は順子のことになってしまう。
だれにもどうでもいいんだけど心にひっかる人はいるのではないか。
最初は登場人物の区別がはっきりせずいらいらしたが
読みすすむにつれて引き込まれるのは作家の力なのだろう。