湊かなえ「母性」を読む。
「母性について」「母の手記」「娘の回想」という構成でつづられる。
母性は女性ならすべて初めから持っているものなのか、
それともいろいろな環境のなかで育てられて深められていくものか。
大切に、肌をふれあい、褒めてくれて母性のすべてを持ったような
母に育てられた「母」が結婚し女の子を出産し育てるのだが、
まわりの環境に左右されつつ、「母」は母の育て方を理想に
愛情をもって育てるのだが「女の子」は子供なりに母の期待に
添うようするのだが。当然 環境が違えば母子で齟齬が生じていく。
「母の手記」と「娘の回想」でいろいろな出来事へのこころの動きや
行動が対比でみられてそれはそれで面白い。
男としてはすべからく女性は完璧な母性をもっていて欲しいものだ。
人はすべて幸せになりたいと思っていても幸せ自体がそれぞれであり、
人はみんな同じではない。だから人生は楽しいと思えることが大事。
湊作品は読みやすくていい。74歳で理解はともかくとして。