百田尚樹「フォルトゥナの瞳」を読む。
フォルトゥナとは神話にでてくる運命に関わる女神という。
百田作品は読んでいて当たり外れが多い気がする。
死ぬべき運命にある人の身体が透明に見えるという
特殊な能力を身に着けていることに気が付いた主人公。
その人の運命を変えて助けてやるとその分自分の身体が痛む。
最初は助けてやるのだが守りたいものができるとそうはいかない。悩む。
おなじ能力をもつ人からは運命をかえてやることがすべていいことでは
ないから運命はかえてはいけないと忠告されるのだが。
駅でたくさんの透明な人たちをみて列車事故を予知する。
やっとできた恋人との甘い生活を振り払って線路に横たわって
人々の運命を変えることを決断する。
他人は神によって死ぬまで運命というレールの上を走っているのか
それとも人は日々自分で運命をつくって生きていくのかという話だ。
主人公がいかにも昭和的でちょっとかったるい。いらつく本だ。