相変わらず図書館の本しか読まない。
作家にとっては益にはならない読者である。
吹雪で時間がとれて本を読む。
角田光代 「福袋」 8編の短編小説。
心が通っていると思っている友達とか夫婦とかが
思わぬ出来事で思ってもいなかった心を見た時
人は離れてゆくか、違いをみとめてそれに合わせていこうとするか。
そんな機微が描かれているのがこの短編集かと思った。
「カリソメ」がおもしろい。
こわれかけてる夫婦。夫が出張中にきた同期会の
案内状をみてなんにも知らない夫のことを知ろうと
勝手に妻が代理出席するという話だ。
「犬」
もてない男が婚活パーティで知り合った女と息があって
やっと結婚し妻のもとめで1軒家を借りる。
引っ越しの時に足もとにじゃれた犬に妻は拘りつづけて
ついには家で飼うようになる。
夫はとまどいながらも結婚生活を続けようとする話。
身につまされながら読む短編が多かった。