あさのあつこ『飛雲のごとく』を読む

あさのあつこ作品。作品をだいぶ読んだけれど相変わらず文章が巧い。そしてリズムもいいだから読みやすい。290頁が1日で読めた。時代ものの道場で学んだ若者の友情と愛と社会に抗う様子が描かれる。

『飛雲のごとく』

新里林弥が12歳のころ剣の師とも人生の師とも思えた兄結之丞が惨殺された。藩の権力争いに犠牲になったのだ。歳を取るにつれて兄嫁七緒に想いを寄せる。七緒は真実を知りたいと思いつつ亡き夫とともに生きて行こうと。林弥は道場の仲間山坂和次郎・上林源吾・堅井透馬と親友というか心通う友だった。しかし源吾は政争にあって殺された。七緒の兄清十郎もまた殺されていた。堅井透馬は藩の権力者の愛人に産ませた子だった。正妻の子が病弱で跡継ぎを透馬にと声がかかった。江戸で自由に生きたかったのに。藩の改革のために透馬は林弥と和次郎に協力を求めた。若いもの同士で権力で暗殺などで死なない藩を目指して改革の道を進もうと・・・。

(3人の最初にしたことは罪人として粗末な石の下に眠っている友の墓で線香をあげることも許さない決め事を改めることだった。)

☆☆☆