浅田次郎『大名倒産 上』を読む。

浅田次郎作品。浅田作品は何故か初めてかも。読んでみたら本のタイトルらしく軽妙洒脱で面白い。題名に惹かれて借りた本だが江戸時代260年の間にできた大名の経済事情も良く分かる。

『大名倒産』

新潟の丹生山松平家は借金25万両。殿様は早々に側女に産ませた4番目の息子小四郎に家督を譲って引退、悠々自適の暮らしをしようとしていた。小四郎は兄たちが身体が弱かったり頭が弱かったりで思いもよらぬ家督相続。父たちは大名倒産を画策していたのだ。そうとは知らぬ小四郎は真面目一筋。参勤交代で初の国元に帰るのにもお金がない。なんとか費用を減らすやり繰りをして国元に帰る。それができたのは武士を辞めて水売りをしていた元他藩の元勘定役の伝蔵や兄嫁の親で大番組の旗本小池越中守が供のものを連れて行列に参列して形がなんとかできて国元まで帰ることができた。

(誠実に対応することで貧乏神をも追い払い父たちの画策した前代未聞の大名倒産をなんとか引き延ばす。)

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