三浦綾子『ちいろば先生物語』を読む。

三浦綾子作品。北海道の著名な作家なのだがほとんど読んだことがなかった。宗教色が強いイメージがあったから。この本は特に聖書の中の神の御用があれば何を置いても背中に乗せるという小さな力のないロバの話を座右の銘とした牧師さんの人生記。

『ちいろば先生物語」三浦綾子小説選集⑥

榎本保郎は子供の頃から真面目で一本気・短気なところもある少年だったがキリスト教とは無縁だった。大戦で満州へ出征、その時の友達が人格者で熱心なキリスト信者。

保郎は天皇を信じて戦ったのだが敗戦。敗戦の現実は酷いものだった。一途に陛下を信奉してきただけに生きる目的を失って帰還。キリストの道を目指して同志社に入るも思いと相いれなくて挫折も再度神学の道に。そこで知り合った仲間と研鑽。学生の身で世光教会を設立して林間学校や幼稚園のようなものを作り、保母の資格のある和子と結婚したくさんの人々に助けられて、人柄が好まれて牧師として成長していく。

大きくなった世光教会を去り望まれるままに四国の今治の教会に渡り病気になりながらもアシュラム活動にも力を尽くしアシュラムセンターを開設し国内外で講演活動をしながら52歳で亡くなった榎本保郎の一代記。

(神を信じ神の御心のままに突き進んだ榎本保郎。自分的にはやっぱり違和感があるなあ。)

☆☆