米澤穂信『Iの悲劇』を読む。

米澤作品。米澤作品は読むのは3冊目かな。今回の本はUターンならぬIターン。市長が変わって目玉政策で消滅した集落に人を呼び込んで人口減対策や振興対策にしようとプロジェクトが企画され3人の職員が苦闘するのだが・・・・。

『Iの悲劇』

プロジェクトを任されたのは西野課長・実務の長けた万願寺・新人女性の観山の3人。

集落に残された古民家を斡旋して蓑石集落に来ていただこうというのだ。3人がサポートする。10組の人たちが応募してきて予定通り埋まったのだが・・・。それぞれに個性的な住民となったが退去にも補助金をだすことで次々にトラブルを起こして万願寺の努力も虚しく退去していく話だ。貧乏な市だから僻地の蓑石集落に投資もできない。

終わってみれば実は西野課長と観山は採算の合わない市長の政策を止めさせようとふたりで細工した結果が誰もいなくなる原因であった。

夕張市が市の活性化で僻地を集約して中央に集めて効率をよくしたが結局僻地にお金を投資すると中央の住民の恩恵が少なくなるということ。例えば救急車が1台しかないと僻地で重症者が出ると長時間救急車が拘束されて市内では混乱する。地方の活性化というのも結局はよくバランスをとらないと・・・。)

☆☆☆