#朝井まかて『藪医 ふらここ堂』を読む。 

朝井作品。これで3冊目読了。朝井作品は登場人物が多くなくて人物が明確で物語の芯が一本太く通っていてそれに江戸情緒や人情や嫉妬や若者の恋など細やかに彩られている。今回も2日で一気に読めた。ふらこことはブランコのこと。

『藪医 ふらここ堂』

奥医師の次男坊に生まれて医療を修行した後に家を飛び出していろんな職業に就いた後結局下町で小児医を開業した三哲は妻に先立たれて一人娘で奥手の「おゆん」が手伝う。子供は自分で治す力があると信じてる医者で親子にヅケヅケものもいい藪医と評判で庭にふらここ(ブランコ)を吊るしている。向かいの八百屋の一人息子次郎助はおゆんに恋をしていて藪医に弟子入りを勝手にしてふらここ堂を手伝う。武士を辞めて薬問屋の営業マンのいい男佐吉と一人息子勇太が近所にきて産婦のお亀婆さんと八百屋の女将のお安が夢中になる。ふらここ堂はいつも暇なのだが藪医も奥医師に推挙されそうだという噂で一気に客が押し寄せるのだが・・・・・。

(江戸時代でありながら現代でも通じる若者の恋や婆さんも女将もいい男に夢中になる。亀ばあさんのお金に辛く口癖が「婆さんというな!」三哲と亀婆のキャラがいい。)

☆☆☆

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