藤沢周平『夜の橋』を読む。

藤沢周平短編時代物小説作品。藤沢作品の時代物は読んでいて落ち着く。

あとがきにも書いているが時代小説は形にはまりやすいのでヒントは現代に

求めることが多いと。9編の短編が納められている。「鬼火」「夜の橋」「裏切り」「一夢の敗北」「冬の足跡」「梅薫る」「孫十の逆襲」「泣くな、けい」「暗い鏡」

『夜の橋』は賭博に狂った男に未練を残しつつ別れた女房おきくが所帯を持つという

噂。大きな店の番頭だという。幸せになればいいぐらいに思っていたのだが・。

悪事がばれて賭場の親分から独り身だから身代わりになれと。断ったら死ぬほど

殴られてやっと橋の袂まできたらおきくが・・・・・・・・・・・・・・・。

『孫十の逆襲』は村に野伏せりと言われる戦の流れ者が近くの村を襲って女や

金目を奪ったという話が。村に関ケ原など戦に出たことがあるのは孫十だけだった。

孫十が指揮して対策をとることになったのだが・・・・・・・。

『泣くな、けい』はお納戸役の波十郎は妻が湯冶に行った留守に女中のけいと

一夜をともにしてしまう。それと同じくして妻が湯冶先で急死してしまう。

藩主が藩の宝物を吟味する日が近づいて点検していたら短剣がない。切腹ものだ。

調べていくと妻が浮気して相手に渡したと分かってそれが売られたという。

女中けいに短剣の取り返しを頼むのだが・・。待てど暮らせど帰ってこない。

帰ってきた時はボロボロ泣くばかり。江戸まで行って取り返してきたという。

波十郎はけいと一緒になることにするというハピーエンドの話。

☆☆☆

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