青山文平「遠縁の女」を読む。

青山文平作品は時代ものだが読ませる。

これで3冊目だろうか。面白い。じっくり読ませてくれる。

「遠縁の女」は「機織る武家」「沼尻新田」「遠縁の女」の3部作。

「機織る武家

 元は100石上士だが落ちぶれた家に婿をとったが娘が死んだ。姑は婿を離さず

 後妻をもらった。「わたし」である。わたしは織機を使えた。夫と姑の仕打ちに

 耐えて織物を仕上げて問屋に認められ、それとともに夫も姑も変わっていく・・。

「沼尻新田」

 貧乏藩では家禄借り上げと称して藩財政のため家臣の俸給を下げていく時代。

 その代償として新田になりそうもない土地を与えて年貢をとらずに開墾させよう

 とするが誰も見向きもしない。柴山十郎の息子は開墾しようと立ち上がる。

 その理由が土地を見にいった時に出会った女・・・・・・・・・。

「遠縁の女」

 片倉隆明は父に武者修行に5年行かされる。学問所で首位を争った誠二郎に

 「武家は剣を遣うようにできている」とやっと言えると思えるまでになりそうな

 時に父の訃報に接して帰郷するのだが父の葬儀は既に終わり、誠二郎は

 遠縁の信江と結婚したものの御仕法の不手際で信江の父ともども切腹

 していた。信江に「悪いのはあなたとあなたの父」といわれて武者修行の

 真相を知り二人は・・・・。

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