青山文平作品を読むのは2冊目。
前回の本は軽い調子の本だったが今回は書下ろしという。
それだけに妻に駆け落ちされた夫は追いかけて仇討ちをするのが武士の
決まりみたいな話を丁寧に楷書みたいにしっかり書かれた本かと。
「かけおちる」
阿部重秀はなにかと噂のあった民江を嫁にして一女(理津)をもうけたが
理津が4歳のとき民江が駆け落ちをする。追いかけて男を切り殺すのだが
崖から落ちた民江を助けてかくまい、妻仇討ちを果たしたと届け出る。
娘の理津は大きくなって不倫を働き戻ってきたところを江戸屋敷の
武芸の秀でた長英といっしょにさせるのだが・・。理津はまた重秀の
若い仲間の啓吾と駆け落ちをはかる。追いかけてふたりに問いただすと・・。
二つの駆け落ちの理由とは・・。