西加奈子 「ふくわらい」を読む。初めての作家である。
主人公 鳴木戸定(なるきど さだ)は
小さいころに「ふくわらい」に熱中してそれが嵩じて
人の顔をみても目や耳を代えて人を見れる子に育つ。
紀行文を書く父につれられてアフリカや南米など各地の
本来的な人間と出会い、感動しつつまっすぐな娘に育ち
やがて出版社の編集の仕事を得て作家の担当になる。
ある時 目の悪い青年を助けたことがきっかけで愛を告白される。
青年は目が見えないことで「定」の人間性が見えて素直に恋をする。
人肉を食う話、乳母の話、死んだ作家の後を妻が小説を書く話、
猪木を崇拝するプロレス作家の話などエピソードもおもしろい。
登場人物も明確で読みやすく面白い。
この本のキーワードは「ふくわらいの目」と「先っちょ」かなあ。
別の作品を是非読もうと思う。