鳥越碧 「秘恋」を読む

同年代作家の鳥越碧の「花筏」「漱石の妻」「あにいもうと」「一葉」などなど読んできて今度は「秘恋」を読む。
イメージ 1

 教科書で習った”応仁の乱”。都を火の海にし、廃墟にした乱。1450年ごろの話だ。
 日野富子異聞とサブタイトルにあるように悪女で名高い日野富子の生涯を別の視点から
 描いたものだ。

物語は幼馴染の富子と伊作(喬太郎)の応仁の乱という歴史的な騒乱のなかでも
身分の違いを超えて口に出せない恋心を抱きつづける男と女の秘めた恋物語

    富子は足利義政正室になり、一方喬太郎は恋する富子のために警護につく。当然 叶う恋ではない。
    富子は義政が後継者を決めたあとで富子に男の子が生まれる。富子はなんとしても自分の子を後継に
    したいと母親心がでる。陽の妻は静の夫を抑えて息子を後継将軍につける動きが時あたかも
    幕府を支える有力者たちの間でも跡継ぎ問題がさかんで骨肉の争いが起こっていて蒐集のつかない
    10年以上におよんで都は廃墟になるような乱となる。それが応仁の乱であり、そのなかでなにも
    しない義政にかわって仕切ったのが富子である。その結果が後世に悪女言われた強い女性である。

    一休和尚が富子の心の師匠として登場する。汚れ役を強いられる富子に言う。
    「1日を生きることが天への恩返しであり、老いるということは若者よりも長く恩返しができる
     ということ」    あーあ長生きすることはいいことだと一休和尚は言ってる(?)。 ガンバロ!