鳥越碧「一葉」を読む

鳥越碧「一葉」を読む。

     「花筏」「漱石の妻」につづいての3作目を読む。

     いずれも作家の周辺から光をあてているので作家も小説も新たな色をおびる。

     一葉の生きた明治は維新によって体制が崩壊した混乱期をまともに直面した生活。

    啄木の借金生活・貧乏生活もすごいと思っていたが、

    有名な「たけくらべ」でやっとなんとか女流文学者として光があたるが、それまでは

    一葉(夏子)が戸主として母(滝)と妹(邦子)をまもるための矜持と借金生活はすごい。

    歌人として、作家として才能はすごいのだろうが生き様がすごい。

    義理や人情に関係なくカード1枚でお金を借りられる現代からはとても一葉は理解不能だろう。

    一葉の作品は今ではもう古文書を解読するように読まなければもうよめないのではないか。

         昔 「たけくらべ」を読んだと思うが忘れてる。ぜひ また読んでみようと思う。

         作家鳥越碧は略歴をみたら同年齢、つい作家と作品に愛着が湧く。