辻仁成『真夜中の子供』を読む。

辻仁成作品。函館西高出身で芥川賞作家とは分かっていたが何故が読まず嫌いで読まなかった。なにか本を読んで印象が悪かったのだろう。博多祇園山笠が走る中州を舞台を中心に無戸籍の少年蓮司の中州の夜中を彷徨う過酷な少年期が描かれている。

『真夜中の子供』

ホストとホステスの間に生まれて親の勝手で戸籍に入れられず学校にも行けずに博多の中州という歓楽街で親の愛情も受けずに彷徨いながら歓楽街に生活する人たちに愛されながら博多祇園山笠という神事に魅せられて山笠に参加することを夢見て生きる蓮司少年が描かれる。マンションを持ちながらホームレスをしている源太・飲食店の経営者の娘で同い年の緋真・若い警官の宮台・祇園山笠の幹部の高橋さん・黒田さんその他いろいろな人たちが蓮司を愛した。無戸籍をなんとか戸籍をと頑張った宮台だが蓮司は中州が国籍と。結局本当の父親は警官に、父と思われた母親の愛人は父親にそして母は結局蓮司がナイフで刺すという結末に。

(舞台が博多の繁華街中州でやくざのようなひと真夜中に走る男の子、そして警官が出てくるようなハード調の作品。辻作品はこんなであったか?)

☆☆☆