小野作品。はじめての作家。6編の怪異な怖い話でまとめられる。
平易な文章で身近なところにある怪異を取り上げている。
『営繕かるかや怪異譚』
「奥庭より」は仕事も辞めて故郷に帰った祥子が叔母の家を引き継いだのだが一間がタンスに覆われていて襖がなぜか知らずに開いている。箪笥の上から怪異なものが覗。
営繕かるかやは霊は外に出たがっているから外に出れるように改築して解決する。
「屋根裏に」は夫婦と母親が生活する屋根裏で音がする。屋根裏から瓦と動物の死骸のようなものが。瓦は捨て動物ようなものを焼いてしまう。昔に農作物が食い荒らされてそいつを銃で撃って殺したものを屋根裏にしまったもののようだ。それは河童だという。それが祟ったのだろうと営繕かるかやはいう。
「雨の鈴」は祖母の古家を継いだ有扶子が雨の帰り道に鈴の音と喪服の女の人が。女が喪服を着てお悔みに訪れるとその家では死人が出ると・・・。
「異形のひと」は女の子が家の中で仏壇のお菓子などをあさっている老人を見つける。
田舎のことで鍵をかけないから近所の老人かと最初は思っているのだが。
「潮満ちの井戸」は移り住んだ古家で旦那が庭の細工に凝りだして古井戸も畑に水を撒けるようにするのだがなぜか作物が生らない。傍の祠も壊してしまう。原因は・・。
「檻の外」は故郷に戻った麻実は親戚から古家を借りる。車庫に入れた車のかかりが悪くなり暗がりで子供の姿も見えるようになる。気味悪くて営繕かるかやに頼むと昔車庫に閉じ込められた子供が死んだという話。外に出られるように改築して解決する。
(よく見られるような怪異なことが起こり、営繕かるかやは若いのに解決していく)
☆☆☆