梶よう子『ヨイ豊』を読む。

梶よう子作品。江戸から明治に移り変わりゆく中で浮世絵師たちから見た江戸の姿。

歌川一門が浮世絵界を引っ張るなかで清太郎という浮世絵が好きな画工が国政・国貞・豊国と名を師匠にもらいながら幕末という時代を浮世を憂き世としてままに生きる話

『ヨイ豊』

清太郎は3代目豊国に見込まれ長女と結婚し2代目国貞を名乗り、才能ある八十八の入門に嫉妬しつつ才能を楽しみに役者や女や名所などの浮世絵を描き歌川一門を支える。

3代目が亡くなるも自分の才能を卑下して4代目豊国襲名を固辞するのだが・・。

明治維新という時代は芸術家と画工、洋画と浮世絵、機械刷と手刷りなどと職工・画工

たちを荒波が飲み込んでいく。清太郎は病を得ても尚浮世絵を残したいと・・・・。

(初代広重・国芳・三代目豊国という歌川一門が花開いた時から洋画がでた明治までの

日本の江戸絵・浮世絵の盛衰が描かれる。歌舞伎は残ったのに浮世絵はすたれた。

ヨイ豊とはすたれて馬鹿にされた言葉が題名)

☆☆☆

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