重松清作品。弱者の視点を忘れない重松さんらしい本なのだが2011年に
起きた東北大震災を改めて思い起すと同時に現在おきている新型コロナの
問題を考えさせてくれる。特に放射能で街があるのに人がいない町。
コロナも放射能も目に見えない。失敗すると大変なことになりかねない。
私立の中学受験に失敗して公立に通う光司はいじめなどで不登校になる。
心配した親が友人のフリーライターに相談して大震災のルポに向かう
友人に同行させる。友人は被災地を回って「希望の地図」を描こうとしていた。
大船渡・陸前高田・気仙沼・宮古など各地をまわりいろいろな被災者の方々の
思いを一緒にきくことで光司君も考え方が少しずつ変化していく。
夢と希望。期待と希望。希望と絶望。違いが語られるのはいい。