吉田修一「森は知っている」を読む。「怒り」につづいて読む。
施設から悲惨な子を引き取って産業スパイに仕上げる話。
母親が妹と兄を部屋に閉じ込めたまま家をでる。
兄はかろうじて餓死した妹を抱いていて助けられる。
施設に預けられ、死んだことにされて沖縄の島に連れていかれる。
壮絶な過去に絶望して大雨の濁流のなかに飛び込む。
子供を助けようと指導員が飛びこみ岸辺に引き上げながら叫ぶ!
「生きるのが苦しいなら、いつ死んだっていい!
でも考えてくれ!今日死のうが明日死のうががあまり変わりがないだろ!
だったら。1日だけでいい。ただ1日だけ生きてみろ!
その日生きられたら また1日試してみるんだ!
お前が怖くてしかたがないものからは一生逃げられない!
でも1日だけなら、たった1日だけならお前だって耐えられる。
たった1日でいいから生きてみろ!
俺は守る!俺はお前のことは絶対守る!」
子供の自殺者が多い。こんな親や教師がついてたら死ぬ子供は
少ないのではないだろうか。
あらすじなどはややこしいが「怒り」と同様のこころの動きが主題か。