9月某日はれ
台風は予想よりそれたみたいいで朝からいい天気。
いい天気に誘われたのか福は産まれてはじめて車に乗せられた。飼い主たちは犬と同じに
車に乗せてドライブをするのが夢みたいである。
先輩の豆さんは何度も載せられて最初は外界に興味をもったようで世の中を知らない頃である。
それを「豆はやっぱり他の猫とは違う」といってあんまり連れまわすのでだんだん気持ちが悪くなって
いまでは絶対車には乗らないそうである。
飼い主は失敗に懲りないようである。馬鹿な人である。
30分ほど公園までいって福を抱いて散歩し、「いい猫だなあ」と言って満足そうである。
帰ってくると家族でひと悶着である。「どこに連れて行ったの!」「馬鹿なことはしないで!」
福は関係ない顔で豆ちゃんと遊ぶことにした。猫も家族の一員になるのは大変である。