M君は若年性認知症にかかってしまった。
10数年前に一度 会った。 まだ初期の段階だった。
まもなく施設に入ったと奥さんから聞いてから残念ながら気にしつつ会えてない。
身体は元気だという。
学生時代の思い出を浮かべる上では欠かせない友達だ。
夜中にぼーーとしていると
もしかしたら夜空にむかって「おーい」と思いを発したら
あいつも「おーい」と発して栃木あたりの空でぶつかってくれないかと思う。
身体は元気だから、頭にたまっている想い出が、ただ出口の故障ででれない
だけかもしれないじゃないか。そんな夢みたいなことにふけっている。
時代はスマートフォンだ。遠くの人とボタンだけで、いや指だけで会話する時代だ。
こんなことが起きてもおかしくない。
おーい!バカやったよなあー! せめて俺が元気なうちは元気でいてほしい。