鳥越碧 「漱石の妻」を読む


   鳥越碧(とりごえみどり)の「漱石の妻」を読む。

       谷崎潤一郎と妻 松子を描いた「花筏」につづいて鳥越文学2冊目だ。

       有名作家の夫婦関係を眺めるのは面白い。小説の創られた過程ものぞかれて。

       漱石の妻 鏡子は悪妻と評されたそうだがいたって普通の妻だ。(そう思う)

       6人の子供を産み、小説家の妻をつとめる。普通の妻ゆえに悪妻の称号をえた。

       誠実、義理人情にあつく、几帳面な漱石

       天才、女性遍歴の谷崎と誠実、淡泊な漱石。    対比が面白い。

       いずれにしてもどちらの作家ももういちど作品を読みたいと思わせてくれた。

          目下 谷崎全集を借りて奮戦中。  漱石全集までたどりつけるかどうか。