伊与原新『ルカの方舟』を読む。

伊与原新作品。この作家は2冊目だ。神戸の理学部卒でこの本は理学部らしく地球へ落ちた隕石から地球と火星の繋がりを柱に科学者たちのいろんな思いから殺人まで起こる話が描かれる。隕石の研究というテーマもあまり身近にないので面白い。

『ルカの方舟』

帝都工科大学の笠見教授が率いる笠見教室には教授の指示で研究する沢山の研究者がいるが講師とか准教授になれる人は少なく必死に研究している。成果は教授だけにということも多い。今西という研究員は尊敬する先輩志田と一緒に南極探検隊に参加して火星からの隕石と思われる岩石を発見した。ただその際にブリザードにあってクレバスに落ちて志田は亡くなってしまう。そのことがあって今西は笠見教授に拾われて教室の一員に。その隕石から生物の痕跡があることを発表して笠見教授は時の人に。教授は南極から密かに持ち出した隕石をチリの裸氷帯で発見したと装って発表したのだ。

そこに「ルカの末裔」というドメインで笠見教授は不正をしているという告発が。

そんな中で笠見教授は窒素器具の取り扱い間違いで教室で死んでしまう。また教室のチリ人研究員が呼び出され境内で殺されるという事件が。

帝都工科大学の天才百地と笠見教授の見解を掲載していた科学雑誌の編集者小日向が原因究明の会に参加して事件を解決する話だ。

(無数の生命が隕石や彗星という方舟に乗って宇宙へと広がり適応可能な星で繁栄する。人類も。そんなことが35億年前にもあったし今もあるのかも・・・・。)

☆☆☆