半村良『裏太平記』を読む。

半村良作品。2冊目。この本の副題が「歴史破壊小説」とつけたくらいだから歴史を考える上であっと驚く話がある。「徒然草」で知られる吉田兼好が現代に至るまで影響を及ぼしているのではないかという本である。

『裏太平記』歴史破壊小説

吉田兼好は堀川家の家司として目立たず風流などを歌にしながら世間を斜めに見つつ生きてきたのだが下克上を信条とする「無名法師」に出会い意見が一致して兼好は無名の

表にでない相談役として関わりを持つ。時代は都では大覚寺統持明院統と交互に天皇を立てるという異常事態のさなか裏にまわって画策したのが無名と兼好だったというもの。後醍醐天皇の御代でも後醍醐天皇は足利幕府の討幕を図るのだが失敗して島流しにあうのだがそれも無名と兼好の思いのままだったという。無名と兼好は日影一族という組織をつくって目立たず後世まで影響を及ぼしたという。明治維新の勤王討幕も昭和の大戦も日影一族が関わっていたのではないか・・・・・。

そういえば後醍醐天皇明治維新朱子学が関わっている。作用・反作用のような関係を作り出して下克上を成し遂げていくようなものでそれを蔭で日影一族が・・・・・。

☆☆☆

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